ずっと君のそばに…
『…どうしたの?』


紗耶香の透き通った声が頭に響く。



決意は揺らいでいくばかりだ。



俺は目を閉じて、濱口先輩の顔を思い浮かべた。



そして、そっと目を開けて、床を見つめたまま言った。


『わりぃ…買い物付き合えねぇや』



紗耶香の顔を見てその言葉を言う事は、やっぱり出来なかった。
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