ずっと君のそばに…
花火大会の会場には、露店も出ている。


酔っ払った親たちを置いて、紗耶香と2人でよく遊びに来たもんだ。



紗耶香は金魚すくいが好きで、見付けるとすぐにやりたがるけど、下手くそだからすぐに網が破けて、金魚をすくう事が出来ない。



金魚を欲しがる紗耶香の為に、俺は毎年頑張って金魚すくいにチャレンジした。


俺がすくった金魚を大事そうに手に下げて歩く紗耶香は、凄く幼くて可愛かった。



露店を見て歩いている時、青木は何も言わずに、俺の腕をそっと手で掴んだ。



Tシャツを着てる俺は、いきなり二の腕を触れられて、びっくりした。


だけど、財布を出す時にさりげなく青木の手をほどいて、持っていたペットボトルを腿に打ち付けたりしながら、何となく距離をとった。
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