秘密の同居



黙って俺の前まで歩いて来た弘子に慌てて言い訳を並べた。


「……怜、あたし知ってるの。
ニンジンが嫌いなのは愛美ちゃんでしょ?」


「知らねぇ。
何で俺がお前の友達の事…」


「怜、もし当たってるなら隠さないで言って欲しいの。
…今一緒に暮らしてるのって愛美ちゃんじゃないの?」


絶句。
瞬きも忘れて、真っ直ぐ俺を見る弘子の目を見つめた。


「怜が両親の知り合いの人と暮らす事は教えてくれてた。
それが誰でもあたしには文句は言えなかった。
あたしが愛美ちゃんと仲良くなって、が愛美ちゃんの心配をしてたり愛美ちゃんの嫌いな物を知ってるから、もしかしてって思った。」


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