秘密の同居



「…俺は高橋にドキドキした事なんて一度もない。」


「今はでしょ?」


「これからもない。」


「でもあたしはさっきの怜が愛美ちゃんに話してると間違えた時、あたしと愛美ちゃんとのでは全然違った話し方だと思った。
怜は自然と愛美ちゃんといると素になるんじゃない?」


「………これ以上弘子の未来予想は聞きたくねぇな。
俺が何言ったって別れるつもりなんだろ?」


「…うん。」


寂しそうに笑った弘子の顔が段々崩れていった。
小さな手で顔を包み、上を向いて涙を堪えているのが分かる。


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