秘密の同居
最後に弘子を抱きしめて、ありがとうと一言伝えて俺は家を出た。
弘子が泣いているのが分かる。
どれだけ自分の事好きでいてくれたかなんて自分が一番知っているから。
それなのに別れを告げるなんて、俺は何をしていたんだ。
恋じゃないなんて言わせて…。
自分を責めながら家に帰ると、リビングに灯りが付いていた。
「……お前、何でまだ起きてるんだ。
待ってんなっつっただろ。」
ソファーに座ってゲームをしている高橋に俺は驚きの声を上げた。
『おかえり!
別に待ってたわけじゃないよぉ。
ゲームしたかっただけだもん。』