秘密の同居



次の日、朝起きると既に夏木君が準備をしていた。
あたしに気付くと夏木君は本当に行くのか?と聞いてきた。


『うん。』


あたしがそう答えると、また不機嫌な顔をして冷蔵庫を乱暴に閉めた。


『あたし邪魔しないし。
夏木君はあたしの事気にしなくっていいから。』


気にしないでいれるわけねぇだろ、と怜は心の中で思った。
怜がこんなに愛美に来て欲しくない理由は、もちろん木村がいるからだ。


「…ったく…。」


言っても聞かない愛美に呆れ、仕方なく先に家を出た。


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