秘密の同居
背後から聞こえた安心する声にあたしは勢い良く振り返った。
そこには仏頂面だけど誰よりも落ち着く顔をした夏木君がいた。
『…………………っ』
キュッと夏木君の服を掴むと、目を丸くしてあたしを見た。
「…だから来るなっつったのに…。」
しばらくして、はぁ…と深いため息を吐かれ、あたしは素直にしょんぼりした。
『うん…後悔した。』
「ったく……。
ほら、このMD並べとけ。」
『え?』
夏木君に手渡されたMDを不思議そうに見ると、夏木君は不機嫌そうに言った。
「何もしないより何かしてた方が居心地いいだろ。」