秘密の同居



チラリと夏木君を盗み見て、あたしはひろちゃんのクラスへ向かった。


「あの…っ!」


後ろから話しかける様な声に振り返ると、見知らぬ男の人がいた。


『…はい?』


「すんません、障害物競争ってどこに並べばいいんすか?」


『えっ?
…多分あそこに集まってるからあそこじゃないかな?』


「あ、まじすか!
なんだ、皆あそこなんだ。
なんかすんません…」


『ううん。1年?
結構分かんないよねー、頑張ってね。』


ニコッと笑って彼と別れた。
彼との出会いが後であたしに大きな関わりを持つ事になるのだが、それはもう少し後の話し――…


< 292 / 435 >

この作品をシェア

pagetop