秘密の同居



『やだっ、はっきり言ってくれないならあたし聞かない!』


そんなあたしに、堪忍したのかスッと手を伸ばしてあたしの頬を包んだ。
それだけで顔が赤くなる。


「…仕方ねぇなぁ、一回しか言わないからちゃんと聞けよ。


…好きだよ、高橋。
これからは俺が死んでも守ってやるから俺と一緒になろう。」


自分で言えと駄々をこねた癖に、嘘だと思うのに、涙が止まらない。


『ほ、本当…?
冗談じゃない…?』


涙でぐちゃぐちゃな顔のあたしを夏木君は頬をキュッとつねって、んな訳ねぇじゃん。と優しく笑った。


< 331 / 435 >

この作品をシェア

pagetop