秘密の同居



後ろからグイっと頭を押されて怒られた。


再び繋ぎ直した手で、学校へ向かった。
想像通り、あたし達を見た皆は驚いた顔でざわついた。


「…あいつら珍獣でも見た様な顔してんな。」


フッと笑って周りを見る夏木君に、あたしは顔を隠す様にうつ向いたまま答えた。


『そりゃそうでしょ。
夏木君が女と手を繋いで登校なんてびっくりだよ。』


「…………………………。」


複雑な表情であたしを見る夏木君に、ププッと吹き出した。


「…じゃ、俺行くわ。
帰り待ってろよ。」


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