秘密の同居



昼休憩になると、あたしはかおるに断ってひろちゃんの教室に向かった。


ひろちゃんの教室に入ると、皆があたしを見てざわつく。
ひろちゃんも知っているのか、あたしを見つけると、ニコッと笑ってこちらに来てくれた。


「場所、変えた方が良さそうだよね。」


ひろちゃんは教室をチラリと見ると、廊下に出た。
人気の少ない階段下で座り込むと、あたしはストレートに話した。


『あたし、夏木君の彼女になったよ。』


やっぱり知っていたらしいひろちゃんは、驚いた顔を見せないで、穏やかに笑ってみせた。


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