秘密の同居



『………ひろちゃん、ありがとう。』


「こっちこそ、これからも仲良くしてね。」


へへ…と二人で笑い合った。



一方怜は、弘子の言った通り木村を呼び出していた。


「…おめでとうなんて夏木君には言わないよ。」


「言わなくていい。」


木村はフッと笑って机に座ると、整った顔を俺に向けた。


「…ずるいよなぁ。
かっこ良くて頭も良くてスポーツも万能で高橋さんと同居なんて…。」


「お前だって最後以外当てはまるだろ。」


「夏木君と比べたら全然だよ。
俺は夏木怜になりたい。」


< 347 / 435 >

この作品をシェア

pagetop