秘密の同居
夏木君が口から手を離した瞬間、待って!と叫んだ。
「……。」
あたしを見下ろす夏木君が男を感じさせて少し怖かった。
『あの…いきなりは恥ずかしいんだけど…。
心構えってゆーか…』
すると、身体がフワリと浮いた。
夏木君がお姫様抱っこをしたのだ。
ベッドに下ろされ、あたしの前に座る夏木君を見上げると、髪を優しく撫でた。
「…怖い?」
『え……。
怖いってゆうか…。』
「少しずつ、慣れて行こう。
じゃないとお前絶対いつまでも怖がると思うし。
さすがに俺も好きな女と毎日一緒に居てキスもしてりゃそういう気にもなるし。
お前がまだ嫌なら徐々にでも全然構わないから。
…嫌?」