バトンタッチ
悪い予感が当たったのは
それから間もなく…。



学校から帰ってきた
ありさちゃんが
その日はぼくを無視して
そわそわしていたんだ。


着替えをし、
お部屋のお片付けをして。



『ありさちゃん?
今日は学校のお話
してくれないの…?』



ぼくの声にならない
その思いとは裏腹に

ありさちゃんは
そわそわしながら
ぼくに話し掛けてきた。




「たーくん!
今日ね、けいた君が
家に来るんだよお!

いっしょに
お勉強するんだあ♪♪♪」



けいた君が…?


だからなの?

だからありさちゃんは
そんなにおめかしして
お気に入りのリップを塗ったの?


15才のありさちゃんは
とっても可愛いけれど

そんなに背伸びをした
ありさちゃんは
見たくなかったよ…。
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