秘密の★オトナのお勉強①



あたしは大きく背伸びをすると、「よし!」と叫びながらパイプイスから立ち上がった。


そんなあたしを、貞永は訳が分からなそうに見てくる。




「あたし一足先に楽屋戻っとくね!」



「あゆ?」



「仕事するのよ。マネージャーは陰の仕事が多いもんでね!」




あたしは貞永に言い捨てるようにして撮影現場を去った。



…言えない、死んでも言えない。

貞永と話しているあたしの事をジーッと睨みつけるようにしていた佐田さんの事なんて!


あの睨むような目付き。

思い出しただけでも震えが襲ってくる。



急に恐ろしくなったあたしは、ダッシュで楽屋に戻った。




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