秘密の★オトナのお勉強①



「…大丈夫。俺は最初から二人に言うつもりなんかなかったし」




少し沈黙があった後、ずっと黙り込んでいた冬馬が優しく微笑んだ。



…この微笑み、あたし知ってる。

高校時代の時から、気を許した人にしか見せなかった微笑み。


その微笑みを時が経った今、もう一度見れるなんて。




「やっぱり冬馬はいいヤツだよ!」



「あゆは少し性格が捻くれてるよ」



「…その一言余計」




昔に戻ったみたいだった。

冬馬と笑い合って、バカしてた記憶が蘇ってくる。



…冬馬と出逢えてよかった。


あたしはその気持ちを心の奥にしまった。




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