秘密の★オトナのお勉強①
「…キャッ!」
しばらく走っていると、あたしは誰かとぶつかってしまった。
よろめく身体を、大きくてガッチリとした腕が支える。
「すいませ―――」
「あゆ?」
その声で、あたしの表情が凍りついた。
…今一番、聞きたくない声。
視界を隠している前髪を手で退けながら、あたしはそっと上を向く。
「…お前どうしたんだよ?」
「えっと…」
「しかも、かなり顔色悪いぞ?」
「なんでもないよ、
―――貞永っ…!」
.