秘密の★オトナのお勉強①



あたしは急いで貞永から身体を離す。


何かよそよそしい態度を取るあたしを、貞永は不思議そうに見つめていた。




「ちょっと考え事してただけだから…」



「考え事するのに、普通一時間も使うか?」



「それは…って、一時間!?」




あたしは咄嗟にケータイを取り出す。


…あたしがトイレにこもっている時間、そんなに長かったんだ。




「休憩時間だったからよかったものの…今度からは気をつけろよ」



「すいません…」




「ずっと探してたんだからな」と付け加えた貞永は、くるっと向きを変えてどこかへ行ってしまった。




芸能人に怒られるマネージャー。

やっぱりあたしはまだまだ未熟だ。




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