秘密の★オトナのお勉強①
冬馬の事で枯れていた涙も徐々に復活し、あたしの視界がぼやけていく。
なんて、あたしという人間は弱いんだろうか。
そう思わざるを得ない程、どうしようもないくらいに思いが募っていく。
「行くぞ」
「え…?」
「だから、猛の所に決まってんだろ!どこに行けばいいんだ?」
「…たぶんっ…実家…」
「分かった。俺があゆの車を運転するから、あゆは黙って泣いとけ」
貞永は優しくあたしを諭すと、泣き崩れるあたしの肩を持って車へと駆け出した。
「うぅッ…!」
神様、一生で一度のお願いです。
猛を、猛をどうか、助けて下さい―――
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