秘密の★オトナのお勉強①



死にかけているはずの猛がなんでここにいるの?そしてなんでコーラなんか飲んでる訳?



そう、猛は今死にかけてるはず。

お母さんだって、ケータイ越しであんなに泣いていた。



…ん?死んだ?


あたしは恐る恐る猛へと目を向けてみる。


そこには、呆れかえったようにあたしを見る猛の姿があって。




「…ま、まさか」




ある疑惑が頭の中を支配する。


あたしは一目散に猛の所へ移動すると、肩をしっかりと掴んで揺さぶった。




「…猛、わざわざあたしに会いに来てくれたんだね?」



「は…?」



「ありがとう。その猛の気持ちだけでお姉ちゃんは嬉しいよ。だから、安心して成仏―――」



「ちょ…待てよ!」




猛はなんて姉思いの弟なんだろう…と感心している時、貞永の手があたしの口を覆った。




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