秘密の★オトナのお勉強①
…必死に力説したのに。
あたしの話を聞いた貞永と猛は、声を上げて笑い始めた。
「…なぁ、聞いたか猛?お前幽霊だとよ」
「姉ちゃんってやっぱりドンマイな人間だな。妄想力激しすぎだろ」
「黙らっしゃーいっ…!」
あたしは爆笑の渦に巻き込まれている最中の二人をギロッと睨んだ。
何よ!事実を述べてるだけじゃない!
幽霊になってしまった弟が、姉に会いに来てくれたっていう実に感動的な話のどこがおかしいのよ!
むしろ感動する所じゃないの?
大丈夫。きっとあたしは普通なだけ。この二人の脳みそが異常におかしいだけよ。
「なぁ、あゆ…」
いままでにこんなに笑っている姿を見た事がないんじゃないか?ってくらいに爆笑している貞永の視線が、あたしの顔を捕らえた。
「な…何よ!」
「普通幽霊って触れられないだろ」
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