秘密の★オトナのお勉強①
あたしはそんな貞永の一言に、ポカーンと立ち尽くす。
「当たり前じゃない。貞永頭おかしくなったんじゃないの?」
「だったら何で猛は触れられるんだ?」
…確かに。
さっきあたしは、猛の肩を掴んだばかりで。
そりゃもう、逞しいくらいにガッチリしていた訳で。
―――あ…れ…?
「という事は…もしかして猛は…生きてるっ…!?」
「もしかしなくても生きてるよ、姉ちゃん」
すっかり笑いも治まり、また呆れ返る猛を見て、あたしは絶句した。
あたしはどうやら重症のカンチガイ野郎みたいだ。
「姉ちゃんってバカなのかアホなのか天然なのかよく分かんねぇ…」
「俺も思った」
すぐ隣でそう呟く貞永と猛を無視して、あたしはお母さんに凄い剣幕で近寄った。
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