秘密の★オトナのお勉強①
そんな会話をしながら会場に着いたあたし達。
会場に着いた瞬間、貞永が突然走り始めた。
あたしも必死に貞永の後を追う。
「ねぇ、時間余裕なのになんで走る必要があるのよっ!」
「他の出演者の方に挨拶するからに決まってんだろ?」
そう言いながらあたしを見る貞永の目は…とても真剣で。
ダメって心のどこかで思っていながらも、あたしはその瞳に胸を高鳴らせるしかなかった。
…これじゃ、あたしの決意が全く持ってムダじゃない。
あたしとした事が、情けない。
はぁ…と小さくため息をつく頃には、既にあたし達は顔合わせが行われる控え室へと到着していた。
「…こんなに走ったの、学生時代以来かも」
はぁはぁ…と息を整えるあたしに対して、貞永が息ひとつ乱れておらず、澄ました顔をしてニヤッと笑いながらあたしを見ていた。
「あゆ、オバサンになったな」
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