秘密の★オトナのお勉強①
「は…?」
「なんでいるの!?」
あたしと貞永の声が重なったのは、ほぼ同時だった。
瞬きをする事すら忘れて、あたし達は放心状態に陥る。
「な…なんで…?」
そう呟きながら、あたしはビクビクと震える腕を上げて、とある人物を指さす。
指を指された本人達は、まんざらでもないような表情を浮かべていた。
「なんでいるのかって聞かれても…ねえ?」
「キャスティングされたからに決まってるじゃない!」
そうクールに言い放つ、乙女系とどこぞの女王様。
…そう。
既に控え室には、このドラマにキャスティングされたと思われる、冬馬と佐田さんの姿があった―――
.