秘密の★オトナのお勉強①
そんな歩くフェロモンこと隼人は、それからずっとあたしに付き纏ってきて。
「じゃ、俺はあゆって呼んでええ?」
「い…いいよ…?」
「ケー番交換しよ?俺、その為にケータイ持ってきてん!」
「え…えっと…」
関西の血は流れていないはずなのに積極的に攻めてくる隼人に、あたしはさせるがままになっていた。
あたしとは少し離れた場所で佐田さんと話している冬馬も、チラチラとあたしの方を見てくる。
…ちょっと!そんなに見てくるんなら助けなさいよ!
口パクで「来て!」と冬馬に伝えるあたしだけど、当の本人はまったく動く気はないらしく。
むしろ、あたしを見てニコッと笑っている。
な…なんなのよ冬馬!この裏切り者!もう構ってあげないんだから!
少し涙目になり、目をギュッと強く瞑った時だった。
あたしの腕が、横に引っ張られたのは。
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