秘密の★オトナのお勉強①



「あ…あの…隼人!」




突然名前を呼ばれた隼人は、驚いたような目であたしを見てくる。


あたしは少しだけ俯きながら、隼人と視線を合わせた。




「でも、これからよろしくね…?」




あたしの言葉を聞いた隼人は、うっすらと笑みを浮かべると、




「…当たり前に決まっとるやろ?よろしくな、あゆ」




あたしに向かって、笑いかけてきた。

その事が何よりも嬉しくて、あたしも笑う。



冬馬の表情が曇っている事なんて知らなかった。

佐田さんがあたしを睨み付けている事なんて気付かなかった。

隼人のマネージャーさんの心情も、読み取れなかった。


あたしの事を守ってくれて隼人に注意までしてくれた貞永が、再び狼になりかけている事も分からなかった―――




.
< 243 / 416 >

この作品をシェア

pagetop