秘密の★オトナのお勉強①
「ん…?」
どこからか視線を感じて、あたしは目立たないように周りを見渡す。
でも、あたしの事を見ている人なんか、一人もいなくて。
…あたしの勘違いか。
そう安心して再び企画書に目を通そうとした時だった。
「―――っ…!?」
今度は先程と違い、突き刺さるような強い視線を感じる。
自然と身体が震えてくる。
振り返る事が怖くなり、あたしはギュッと目を閉じて、その視線から耐えていた。
そんなあたしの変化に気付いたのは、隣に座ってあたしと同じように企画書を眺めていた冬馬だった。
「…あゆ?」
「………ッ…」
コソコソ声で話しかけてくる冬馬に、あたしはどうしても答える事が出来ない。
冬馬は少し何かを考えた後、あたしの背中を擦り始めた。
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