秘密の★オトナのお勉強①
普段の貞永なら、こんな表情をする事なんてない。
それは、高校の時からも同じ。
ゾクッとした恐怖に怯えながらも、あたしは恐る恐る口を開いた。
「さ…貞永…?」
「………」
「どうした…の…?」
「………」
…人の心が読めるようになりたい。
そう強く思ったのは、きっと今日が初めてだろう。
あたしは俯いて何か策がないかと考えてると、突然上から声が降ってきた。
「…今日、これから仕事ねーんだろ?」
「え…?う…ん…!」
降って来る声に、感情が感じられなかった。
だけど、貞永があたしに話しかけてきた事が嬉しくて、
…あたしは、油断していた。
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