秘密の★オトナのお勉強①
連れて来られた場所は、貞永が住んでいるマンションだった。
無言で車を停め、エンジンを切り、あたしの腕を再び掴んで、エントランスへと入っていく。
正直、貞永の行動が理解出来なかった。
何も話してくれないし、無表情になるし、そのクセして家に連れてくるし。
何を考えているのか、サッパリ理解出来ない。
気付くと、あたしは貞永の家と思われるドアの前に立っていた。
ガチャリ…と音を立てて開くドア。
人気俳優の貞永が住むくらいなんだから、セキュリティーも相当なもの。
そして、あたしは初めて入った貞永の家を見て、口を開けていた。
…あたしがマネージャーになってから、貞永のマンションに送り迎えする事はあっても、玄関先まで入る事はおろか、部屋に入る事すらなかった。
それは心のどこかで、貞永と関わる事を拒絶していたからかもしれない。
.