秘密の★オトナのお勉強①



連れて来られた場所は、貞永が住んでいるマンションだった。


無言で車を停め、エンジンを切り、あたしの腕を再び掴んで、エントランスへと入っていく。



正直、貞永の行動が理解出来なかった。


何も話してくれないし、無表情になるし、そのクセして家に連れてくるし。


何を考えているのか、サッパリ理解出来ない。



気付くと、あたしは貞永の家と思われるドアの前に立っていた。



ガチャリ…と音を立てて開くドア。

人気俳優の貞永が住むくらいなんだから、セキュリティーも相当なもの。


そして、あたしは初めて入った貞永の家を見て、口を開けていた。




…あたしがマネージャーになってから、貞永のマンションに送り迎えする事はあっても、玄関先まで入る事はおろか、部屋に入る事すらなかった。


それは心のどこかで、貞永と関わる事を拒絶していたからかもしれない。




.
< 250 / 416 >

この作品をシェア

pagetop