秘密の★オトナのお勉強①
記憶が遡る。
マネージャーとしてあたしが貞永の前に現われた時から、ずっと。
貞永は、あたしを襲う事は会っても、キスをしてくる事はなかった。
最初は、別にあたしは貞永の事を好きと気付いていなかったからよかったけど…
はっきりと自覚している今は、この事実は何よりも辛い。
「…ゃ…だ…」
「抵抗しても無駄だって。な?」
「―――ッ…」
冷たい貞永の視線。
壊れそうなあたしの心。
無表情であたしの胸に喰らいつくその姿は、まさに餌だけを求めている狼。
あたしは一体、何をしたんだろう。
貞永は何を想って、あたしにこんな事をしているんだろう。
「気持ち」が入っていないと一目瞭然のこの行為は、あたしをただ辛くさせるだった。
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