秘密の★オトナのお勉強①
そう貞永に指摘され、あたしは恐る恐る目元に手を伸ばしてみる。
…確かにそこは、濡れていた。
貞永と別れた時でさえ、泣くのを必死に我慢していた強気のあたしが…
無意識に、涙を流していた。
自覚した途端、あたしの目は大粒の涙で覆われていく。
色々な感情がグチャグチャになり、あたしは涙を流す事しか出来ない。
永遠と溢れる涙を処理出来ないあたしは、貞永の方を向いたまま動く事が出来なかった。
「泣く程…嫌だったのかよ…」
「………ッ…」
そんな貞永の問い掛けにも、一切答える事が出来ないあたし。
…貞永は、あたしを見て、どのような感情が生まれているんだろう。
後悔?懺悔?哀れみ?それとも…
「ねぇ貞永…」
「………」
「なんで好きでもない癖に、こんな事したのよッ…!」
.