秘密の★オトナのお勉強①
車に戻り、あたしはハンドル部分を支えにして泣き崩れる。
「………さだ…ながッ…」
好き。
マネージャーとして気持ちを抑えていたけれど、この気持ちはどうしようもなかった。
何もかも失った今、なんでこんな事を気付いてしまうの?
…あたしの気持ち、たぶん貞永は気付いたんだろうな。
何も意識していなくて、言いたい事をただ口にしただけだけど。
もう、あたし達は笑い合う事が出来ないのかな?
今まで通りに、楽しく仕事は出来ないのかな?
「―――っ…!」
次々に溢れ出していく気持ちに嘘が付けなくて。
こんなに酷い事をされたのに、あたしはやっぱり貞永の事なんて嫌いになれそうになかった。
―――嫌いになれたら、楽なのにね。
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