秘密の★オトナのお勉強①



突然ズコズコと楽屋に押し入ってきた隼人は、中央に置かれてあるイスに座ると、片手をあたしの方に向けて伸ばしてくる。


あたしはその行動の意味が分からなくて、首を傾げる。




「…飲みモンちょーだい」



「は…?」



「やから、俺はお客さんなんや。おもてなしせなアカンやろ?」




…この行動や言動、どこかの変態狼と物凄く似ている気がする。


そう感じたあたしは、顔をムスッとさせながら、未開封の水のペットボトルを渡した。




「どーぞ」



「何やその棒読み。明らかに気持ちこもってないやんけ」



「ノーコメントで」



「ま、ええか」




ニッコリ微笑んだ隼人は、早速あたしの渡したペットボトルに口を付けた。




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