秘密の★オトナのお勉強①



隼人のお陰で、気持ちに余裕が出来たかもしれない。


グッと背伸びをしていると、あたしは楽屋のドアが少し開いている事に気が付いた。


たぶん、隼人が閉め忘れたんだろう。




「閉めて、仕事に集中しよ!」




少しだけ、仕事も頑張ろうって思えるようになってきたかも。


そんな心の変化を嬉しく思いながら、ドアに近付こうとした時だった。




「―――っ…!」




あたしはハッとした表情を浮かべて、ドアの方を凝視する。



…また、視線を感じた。

この間の打ち合わせと同じ、鋭い刃のような視線を。


一瞬、佐田さんという案も浮かんだけど、彼女は本性を知られてからあたしに真っ向勝負を挑んでくるようになった。



という事は、この視線は佐田さんのモノではないという事で…。




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