秘密の★オトナのお勉強①
「迷惑かけてすいません。コイツ、俺のマネなんです」
突然聞こえてきた声に、あたしは耳を疑った。
「…さ、貞永さん!すいませんでした!」
あんなにあたしのプライドを傷つけてくれていた受付嬢も、なんだかタジタジ。
それは、「貞永」という人間がいかに有名かを物語っていた。
「このマネ、今日から俺の担当で色々分からなかったみたいで。すいません」
口を塞がれたまま、あたしはどこかに連行されていく。
「貞永」の顔はあたしからは見えないけど、なんだか声や掌の体温に身体が反応する。
懐かしい、と心のどこかで感じていた。
でも、会いたくないという思いもあった。
どこかが引っかかる、この気持ちは一体何―――?
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