秘密の★オトナのお勉強①



そっと声のした方に振り返ると、そこにはスーツを着た、二十代後半ぐらいの男性が立っていた。


この人、どこかで…。

戸惑うあたしを見て、その男性は爽やかな笑顔を向けてきた。




「こうやって二人で話すのは初めてですね。私、雪村隼人のマネージャーを担当しております、伊藤と申します」




行儀よく礼をする姿を見て、あたしはハッとする。


…そうだ!どこかで見た事があると思っていたら、この人って隼人のマネージャーさんじゃん!




「こ…こちらこそ貞永がお世話になってます!中森です!」




多少テンパリながらお辞儀をするあたしを、伊藤さんは優しい笑みで見ていた。


緊張しすぎているあたしを、伊藤さんはおかしく思っていないのかな?


ドキドキと鼓動を始めたあたしの胸を抑えるように、ギュッと服を握った。




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