秘密の★オトナのお勉強①



果てしないあたしの妄想劇は、行ってはいけない領域まで達してしまった。


あわあわと慌て出すあたしをよそに、冬馬は全てを分かっているかのように冷たく言う。




「あゆが考えてる事当ててあげよっか?」



「…う、うん…」



「実は貞永くんはゲイで、あゆが雪村さんを取ったと勘違いされてて、あゆが嫉妬されてるって事でしょ?」




全てが当たっていた冬馬論に、あたしは口を開けたままにしていた。


…やっぱり、あたしの周りにいる人はみんなエスパーなんだっ!




「冬馬…あたしの考え、違う?」



「うん。まったく違う」




まるで、頭に雷が落ちてきたようだった。

ショックが大きすぎて一瞬頭がクラって傾く。



…やっと冬馬や猛が言っていた意味が分かったよ。


あたしって、バカだね。




.
< 283 / 416 >

この作品をシェア

pagetop