秘密の★オトナのお勉強①
「という事は、隼人がここまで運んできてくれたの?」
「いや、光輝や」
「…ゲホッ!」
意外過ぎる隼人の回答に、あたしは思わず咳き込んでしまう。
…今、貞永って言ったよね?
嘘じゃない…よ…ね…?
「あゆが倒れた場所が、俺と光輝の真ん前でな?倒れていくあゆの身体を光輝が咄嗟に抱きかかえて、ここまで運んできたんや」
「…マジ?」
「本気や。で、撮影があるからって、出番の無い俺にあゆの看病を任せていったんや」
という事は、あたしが倒れた時に感じたあのぬくもりも、あたしを呼ぶ声も、全部貞永だったって事!?
…どうしよう。
身体中が熱くなっていくのが分かる。
ただ単に、嬉しい。
気まずい関係でも、あたしの事を心配してくれていた事が、何よりも嬉しい。
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