秘密の★オトナのお勉強①



寝ている時に、無意識にコップを持たされて飲んだのかな?

というか、それしか考えられないよね。


一人でそう勝手に解釈すると、あたしはもう一度身体を横にする。



…今日くらいは、みんなに甘えさせてもらおう。


そして、明日から今日の分を取り返すくらいに、仕事を頑張ればいい。



新たな決心をした時、楽屋のドアからノック音が響いてきた。


一旦横にしていた身体を起こすと、あたしはドアに向かって歩く。



…隼人が忘れ物したのかな?

そんな軽い考えであたしは楽屋のドアを開けた。


ゆっくりと開いていくドアの隙間から見えたのは、予想もしない人物が立っている光景で。




「…え、伊藤さん?」



「こんにちは、中森さん」




隼人のマネージャーの、伊藤さんだった。




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