秘密の★オトナのお勉強①



「どんな有能なヤツが入ってきたかと思えば、普通の顔に普通の体型の平凡なヤツだし」



「ゔっ…」



「おまけにマネージャーとしての自覚がなくて、二日酔いの状態で現場に来たと思いきや、急に倒れるし」



「ゔぅっ…」




…悔しいけれど、伊藤さんの言っている事は全て事実。


マネージャーの自覚はまだまだ欠けている所があるし、平凡っていう所も否定出来ない。



だけど…!




「それで、どうしてあたしに当たってくるんですか?」



「は…?」




あたしに向けられる冷たく鋭い視線。

その視線を浴びた瞬間、あたしは全てを悟ってハッとした。



…度々感じていたあの視線は、伊藤さんがあたしに対して向けていたものだったんだ。


ようやく謎が解けた事によって、伊藤さんに対しての睨みはもっとキツイものになった。




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