秘密の★オトナのお勉強①



「あたしは長年この職業に憧れていて、やっと夢を掴めたんです。それで張り切って仕事をする事のどこが悪いんですか?」



「…は?」



「そりゃ伊藤さんと比べたら、あたしは全然自覚もなってないちっぽけなマネージャーです。それはあたし自身も自覚しています」



「なら―――」



「それでもあたしは、頑張らなきゃいけないんです!…信頼してくれている芸能人の人達に恩返しが出来るように」




そんなあたしの言葉が発せられた瞬間、伊藤さんの反論する声が止んだ。


俯き加減で、何かを考えている様子。


そんな伊藤さんを見ながら、あたしは更に言葉を発する。




「業績で抜かされて悔しい思いをしているんなら、今まで以上に頑張ればいいじゃないですか…!頑張って仕事して、再びトップの座を奪い返せばいいじゃないですか…!」




悲痛なあたしの思いが楽屋中に響き渡った途端、伊藤さんは素早く顔を上げた。




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