秘密の★オトナのお勉強①



あたしの人生は、終わっちゃうのかな?

こんな、欲まみれの男の手によって。



…でも、あたしはこの世界でやり残した事がたくさんあるの。



猛のメジャーデビューの瞬間を見たい。

早く一人前のマネージャーになりたい。


そして…

貞永と、まだ仲直りをしていない。


だから、こんな所であたしは負けている場合じゃないんだよ。



あたしは…あたしは…!




「離し―――」




ギュッと目を瞑ったまま叫ぼうとした瞬間、首を圧迫していた感覚が消え、喉に吸いきれないくらいの量の空気が入ってきた。


身体中の力が抜け床に倒れこもうとしたあたしを、…どこか懐かしい体温が包んだ。




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