秘密の★オトナのお勉強①
「…そんな事しなくてもいいよ」
「あゆ…?」
「もしこの事が世間にバレたら、隼人は芸能界に居られなくなっちゃうじゃない」
「…でもな―――」
「彼女さんだって、ファンの人だって、たくさんの人が悲しむんだよ?…そんな姿を、あたしは見てなんか居られないもん」
…本当は、伊藤さんが怖い。
何かがある度に、今日の出来事がフラッシュバックしてきそうで。
だけど…重ねて見てしまうの。
…隼人と同じ、世間に知られてはいけない秘密を持っている自分と。
「…あたしは大丈夫だから」
「あゆ…」
眉を悲しそうに下げた隼人は、ゆっくりと伊藤さんの方を向いた。
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