秘密の★オトナのお勉強①



…今、謝ったよ、ね?


貞永が、謝ったよね…?




「ちょ…貞な―――」



「俺、あゆの気持ちとか全然考えてなくて、自分だけ突っ走ってた」



「…貞永」



「俺が嫌になったんなら、担当から外れていい。だから、あゆ―――」



「外れるわけないでしょ」




貞永の言葉を遮ったあたしは、真剣な目つきでヤツの瞳を見つめる。

あたしの予想外の言葉を聞いて、驚いた表情を浮かべている貞永を。



仁王立ちするあたしを見る貞永は、訳が分からないとでも言いたいような表情を浮かべている。


ビシッと人差し指を立てると、それを貞永の方に向けた。




「確かに、あれは最悪だった!あたし完璧無視で事を進めていくんだから!」



「…あゆ」



「だけど、何か貞永には事情があったんでしょ?」




あたしは見逃さなかった。


…この一言で、貞永の顔が少しだけ赤くなったのを。




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