秘密の★オトナのお勉強①
はぁ…と落ち着かせるように深呼吸をすると、あたしはもう一度貞永の方を向いた。
顔が赤くなっていようが、少し息が切れていようが。
そんな事を気にする余裕はなく、あたしはじっくりと貞永の表情を観察する。
「あたしは、絶対に担当から外れない。いや、離れてやんないんだから!」
「あゆ…」
「この手で、貞永を育ててみせるって決めたのよ。だから…許してあげるわよ!!」
こんなにも偉そうな言い方しか出来ない自分だけど。
…これは、少しでも貞永の傍にいたいという、ささやかな願いの表われ。
「…ったく。あゆはやっぱり強気だな」
「…だねっ!」
まだ少しぎこちない会話だけど、いつかはまたテンポのいい会話になってくれる事を願うよ、あたしは。
お互いに目を合わせたあたしと貞永は、気持ちがすれ違っていた分だけ見つめ合って、
―――そして、笑った。
.