秘密の★オトナのお勉強①
盛大に盛り上がっている両親をよそに、あたしはテーブルに並べられたおつまみの数々を摘む。
そして、目の前で真剣に何かを語り合っている二つの姿を見つめていた。
「いいか猛。芸能界にはナイスバディーなお姉さんがたくさんいるけど、惑わされたらダメだぞ」
「分かった」
「ちなみに、夜の営みをするにしても、マスコミにバレないように慎重にやれよ」
「頼りになるな、光輝くんって」
あたしのすぐ目の前で芸能界講座を開いているのは、エロ狼と猛。
必死に力説する貞永を、猛は尊敬の眼差しで見ている。
そんな二人を、あたしはメラメラと何かを燃やしながら睨みつける。
…どこが頼りになるのよっ!
というか、猛に変な事吹き込まないでよ、このエロ狼ーっ…!!
どこか視点がズレている二人の会話に、あたしは心の中で突っ込む事しか出来なかった。
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