秘密の★オトナのお勉強①



泣きたい気持ちを抑えながら、あたしは勇気を振り絞って声を出す。




「あの…あたし…」



「何よ」




そっけない佐田さんの返事が返ってくる。


どうしようもない感情があたしを支配する。


それを振り切るように顔をブンブンと横に振ると、しっかりとした意志を持って、佐田さんの整った顔を見つめた。




「あたし、佐田さんに嘘付いちゃいました。実は―――」



「どうせ、光輝くんが好きになりました的な知らせでしょ?」



「はい…って、はいっ…!?」




しんみりした空気はどこへやら。


あたしは雰囲気などそっちのけで、佐田さんの声に反応してしまう。



…あたしの気持ち、バレてたの!?




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