秘密の★オトナのお勉強①



あわあわと慌て出すあたしをよそに、佐田さんは目を瞑ってコーヒーを味わっている。




「アンタね、このアタシが気付いてないと思ってる訳?」



「それは…えっと…」



「だから言ったじゃない。アタシが本性を見せてしまった日に、“光輝くんは中森さんを好きじゃないと言い切れるの?”って…」




記憶を手繰り寄せる。


確かに、そんな事を言われたかもしれない。




「アタシはその時から確信してたのよ」



「へ…?」



「ほんの微かだけど、中森さんが動揺してたから」




…あたしが、動揺?


という事は、佐田さんはあたしが自覚する前に既に気が付いていたという事になる。


やっぱり、みんなエスパーだ。




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