秘密の★オトナのお勉強①



「佐田さんって、何気に人を観察してるんですね」



「そうね。だって人を貶す大事なネタじゃない。特に嫌いな人に関してはしつこいわよ?」




…返す言葉がなくなった。


悪魔な女王様に、いつものあたしの力が出てこない。



佐田さんってアレだよ、アレ。


漫画とかでよくある、人間の力とかそんな系統のモノを吸い取ってしまうような、そんな妖怪みたいだ。


結構設定が細かいけど、絶対そうだよ、うん。



あたしが脱力したように笑っていると、突然佐田さんが動き出す。


その姿を、あたしは焦点が合わないような虚ろな目で追っていた。




.
< 335 / 416 >

この作品をシェア

pagetop