秘密の★オトナのお勉強①
少し進んだ所で、佐田さんはあたしの方に振り返った。
「中森さん、アタシと少し話したからって、いい気にならないでよ!?」
「…へ?」
「浮かれた様子を一瞬でも見せたら、アタシは絶対に許さないんだから!」
ビシッとしっかりとした口調でそう宣言すると、佐田さんは満足したかのようにあたしの元を去っていく。
…なんだか、いつも佐田さんに調子を崩されるなぁ。
少し負けたような気がして悔しく感じる。
まぁ、あたしがあんな性格をお持ちの佐田さんに勝てる事なんか、一生ないんだろうけど。
それでも、あたしは清々しい程の達成感で胸がいっぱいになっていた。
あたしがこの世で苦手な物ランキングのトップ5に入っているであろう佐田さんが相手だったけど。
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